軽自動車に乗るのって自殺行為だろ!
軽自動車を買おうかと思ったら
「危険だからやめておけ!」
と何人かに言われた・・・。
そんな方もいるかもしれません。
確かに、事故のニュースを見ているとペチャンコに潰れている軽自動車を見かけます。
こんな感じですね↓
いやぁ、目を背けちゃいたくなりますよね。
この映像をみたら、軽自動車に乗るなんて絶対にやめておこう!って心に決めるかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい。
本当に軽自動車だけが危険なのでしょうか?
軽自動車と普通車を比べたら軽自動車が圧倒的にダメなんでしょうか?
目次
軽自動車も普通車も同じテストをクリアしている
まず知っておいて欲しいのは、軽自動車も普通車も同じ安全テストを行っていることです。
安全テストは、各メーカーが独自でやっているのではなく、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が行っています。
安全テスト内容は「乗員保護性能評価」と「歩行者保護性能評価」の2つで採点しています。
歩行者保護性能評価は平成23年から新安全性能総合評価で加わった項目です。
他にも、様々な安全テストをしていて興味深いです。
試験項目
試験項目は以下のとおり。
乗員保護性能評価
フルラップ全面衝突試験
時速55㎞でコンクリート壁に正面衝突させる
オフセット前面衝突試験
時速64㎞で運転席側の1部を衝突させる。
側面衝突試験
運転席側の側面に950kgの台車を時速55㎞で衝突させる。
感電保護性能評価試験
フルフラップとオフセット試験において感電の有無を評価。
後面衝突警部保護性能機能試験
停車中に同じ重さの車が後から36.4kmで衝突した際の衝撃を計測する
歩行者保護性能評価
頭部保護性能試験
歩行者の頭部がボンネットに衝突した際の衝撃を測定
脚部保護性能試験
バンパに向けて時速40kmでダミーを発射させて脚部への衝撃を測定する
試験結果 人気自動車の総合点数を比べてみた
これらの試験を行い総合評価をした結果がNASVAに掲載されていたので、人気の車種別一覧表を作成しました。
普通車も含めていますので、比較しながら参考にして下さい。
[table id=37 /]
ちなみに、一番評価が高かったのはトヨタクラウンで189.7点でした。
2位はレガシィアウトバックで188.8点、3位はデミオの185.7点。
この結果が全てだとは言えませんが、こうしてみてみると軽自動車のほうが評価が低くなっています。
しかし、合格基準には達しているのでそこまで悪いわけでもないでしょう。
なぜ軽自動車が危険と言われるのか?
それは、軽自動が軽いからです。
重いものと軽いものが同じスピードでぶつかったら・・・結果は見えていますよね。
例えば、ピンポン球とテニスボールがぶつかったら?
バレーボールとボーリングの玉がぶつかったら?
のび太とジャイアンがぶつかったら?
アルトとヒノノニトンがぶつかったら?
ちなみにアルトの重量は610kg~700kgです。
一方日野デュトロカーゴは2,270kg~2,540kgです。最大積載量が4,500kgくらいあるので、荷物を積むと更に重くなりますね。
小型トラックでさえアルトの3倍以上あります。
トラックじゃなくても、SUVなどの重量のある車と正面からぶつかったらひとたまりもないでしょう。
衝撃吸収で中は大丈夫なんです!
最初の動画でぺちゃんこのグシャグシャになった軽自動車を見ると、「ウワァァ!」ってなりますよね・。
でも、実はこれぺちゃんこになって衝撃を吸収しているんです。
車の安全性を高くするには次の2つの方法があります。
1つは車を固くすること。
合板を強化して衝撃を受けても凹まないようにすれば中は安全です。
要するに戦車とか装甲車みたいなイメージですね。
ただ、車は平気だけど車内まで衝撃が伝わってくるので、中の人が受けるダメージは大きいでしょう。
また、重くなるので燃費も悪くなります。
2つ目は衝撃の力を逃し、乗っている人を守ることです。
ぶつかった時に、シャーシなどが曲がって力を分散するようにすることによって、中の人のダメージを減らすことができます。
どちらが安全かというと、ケースバイケースとしかいえないですね。
事故には正面衝突や横転、後から衝突などの様々なパターンがありますから。
ただ、一番多いのが背面からの衝突、いわゆる「オカマ掘っちゃった事故」なので、後部にスペースがあるなら衝撃吸収が有利かもしれません。
軽自動車は後部が狭いのでトラックなど車高の高い車に追突されたら、後部席に乗っている人はかなり危険ですけどね。
また、最近は燃費重視になってきているので、車を軽くしないといけません。
なので、ほとんどの車が衝撃吸収するものとなっているでしょう。
つまり、軽自動車がぺちゃんこに潰れているのは衝撃を吸収した結果で、中の人はもしかしたら助かっているケースもあるわけです。
とは言え、軽自動車は普通車よりも全長と全幅が短いので不利にはなるでしょう。
背面からの衝突の場合、軽自動車で後部席に座っている場合や、ミニバンの3列目は非常に危険と言えるでしょう。
軽自動車よりもコンパクトカーが安全はウソ?
どこかのまとめサイトでこんな事を言っていました。
警察官の親父に軽が欲しいって言ったらお前そんなに死にたいのか
そんなに死にたいならロープが押入れにあるぞって言われて
マーチ買ったよ
じゃ、マーチなら安心なのか?
先ほどのことを考えたら、軽自動車とマーチを比べたらほとんど変わらないということがわかると思います。
マーチの重量は約1,000kg(1トン)です。
アルトと比べると300kgほど重いですが、トラックと比べると軽いです。
また、コンパクトカーなので、車も小さい。
そんなことを考えると、軽自動車もコンパクトカーも目くそ鼻くそじゃないでしょうか?
コンパクトカーを買うなら、新安全性能評価が高いデミオがおすすめですね!
軽自動車の死亡事故の統計は?普通車と比較
自動車事故の統計をみて、軽自動車と普通車の死亡率の違いを見てみました。
なかなかいいデータがなかったのですが(財)交通事故総合分析センターが出している交通事故統計年報のデータを自分で車両相互事故と車両単独事故に分けて計算してるサイトを発見。
そのデータによると、車両相互事故では普通車よりも軽自動車のほうが1.29倍死亡率が高いとされています。
やはり、重さや大きさが原因だと考えられます。
車両単体事故においては、普通車のほうが1.23倍死亡者が多いようです。
この原因は何故なんでしょう。
軽自動車のほうが軽いから衝撃が少ない?
それとも、小さいから衝突する面積が少ないのか?
またはスピードが違うのか?
統計からはここまでわかりませんが、単独事故での死亡者は普通車のほうが多いみたいです。
単独事故で多いのはどんなケース?
交通事故総合分析センターで、「死亡事故率の高い自動車単独事故(PDF)」という特集を見つけました。
交通事故は、車両相互事故のほうが圧倒的に多いようです。
死傷事故の統計では、車両相互事故が86%、車両単独事故がわずか5%となっています。
しかし、死亡事故では車両単独事故が20%と結構高い数字がでています。
事故の原因は、不注意によるハンドルミスが多いようです。
減速しないで道路脇の電柱や工作物にぶつかって大破で死亡というケースが目立っています。
結論!軽自動車はやっぱり危険だけど・・・・
いろいろなデータを見てきましたが、いかがでしたか?
結論としては、やはり軽自動車は普通車に比べて危険ということがわかったと思います。
しかし、軽自動車に乗るのは自殺行為!というほどではなく、少しだけ危険性が増すという程度でしょう。
自動車事故で年間4,000~5,000人が死んでいるのは紛れもない事実です。
ちなみに自殺者は年間3万人(本当は10万人以上とも言われている)ということです。
最近の軽自動車は、衝突回避支援システムや車両逸脱警報などが用意されている車が増えています。
衝突回避支援システムで、自分からオカマ掘っちゃうこと防いだり、壁や電柱への衝突を回避、もしくはダメージを軽減してくれるでしょう。
車両逸脱警報では、うっかりハンドルミスをしても警報で知らせてくれるので大きな事故を防げるかもしれません。
安全性を重視したい方は、こうした安全性能をしっかりチェックして見てはどうでしょうか?
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