発売当初、爆発的な人気から「軽ワゴン」という新しいジャンルを開拓したワゴンR。
最近では、最先端技術「マイルドハイブリッドシステム搭載」というキャッチコピーでも話題。
1993年に誕生してから、2017年のリニューアルで6代目、25周年を迎えるロングランの軽自動車。
軽自動車といえば、このワゴンRを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
そんなスズキの軽自動車を代表するワゴンRですが・・・
やはり、気になることといえば・・・燃費でしょう。
「最新技術と聞こえはいいけど、実際の燃費に貢献してるの?」
「ハイブリッドあり・なしの燃費の違いは?」
なんてこと、気になりませんか?
ワゴンRのグレード別実燃費や最新テクノロジーの燃費貢献度など、様々な角度から検証していきます。
目次
グレードごとのカタログ燃費と実燃費
出典:ワゴンR公式HP
大きく分けて、ワゴンRのグレードは3つです。
マイルドハイブリッド搭載のグレードがHYBRID FZ・FXの2つ、一番下のグレードがFAです。
FAはハイブリッドではありませんが、唯一ミッションのあるグレードになります。
それでは、カタログ燃費と実燃費から見ていきましょう。
実燃費は車の口コミサイトであるe燃費の平均実燃費を参考にしています。
カタログ燃費 |
平均実燃費 | ||
2WD | 4WD | 2WD | |
HYBRID FZ・FX(CVTのみ) | 33.4km/L | 30.4km/L | 20.57km/L |
FA(CVT) | 26.8km/L | 25.4km/L | 18.20km/L |
FA(5MT) | 25.6km/L | 23.4km/L | 18.44km/L |
カタログ燃費で見ると、ハイブリッド搭載のFZ・FXは圧倒的な燃費を誇っているのがよくわかります。
実燃費を見ても、やはりハイブリッドが一番よい数値を記録しています。
しかし、燃費達成率でいうとハイブリッドが60%前後に対し、FAは70%前後。
FAの方がよい数値なのは、恐らくe燃費における投稿数そのものが少ないためでしょう。
少ない投稿数の場合、ひとつの投稿で平均が大きく前後してしまうので注意が必要です。
実際、実燃費の投稿での最高記録は、ハイブリッドで26.81km/Lでした。
e燃費では、FAが100前後の投稿数に対して、HYBRID FZ・FXは1500を超えています。
それだけ、最先端技術「マイルドハイブリッド」が注目を集め、選ばれているということですね。
最新テクノロジーで低燃費をサポート
出典:ワゴンR公式HP
ここでは、ハイブリッド搭載グレードFZ・FXの最新テクノロジーを紹介します。
マイルドハイブリッドとは?
出典:ワゴンR公式HP
「この“マイルド”って何?」と、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
ハイブリッドといえばプリウスやアクアが有名ですが、スズキのハイブリッドは異なります。
なぜなら、普通車に搭載しているハイブリッドシステムは大きすぎて、軽自動車へは装備できないからです。
そこで、スズキが独自開発した軽自動車のためのハイブリッドが「マイルドハイブリッドシステム」。
発電効率に優れたISG(モーター機能付発電機)により、減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電。その電力を活かして、クリープ時にはモーターのみで走行し、加速時にはモーターでエンジンをアシスト。さらなる燃費の向上に貢献するハイブリッドシステムです。
引用:ワゴンR公式HP
つまり、改良した発電機兼モーターであるISGが、マイルドハイブリッドの肝心部分。
通常の発電機の働きをしつつ、走行のフォロー役までこなしてしまう、まさに一人二役の名役者です。
ISGがフォローしてくれるおかげで、ガソリンを使うエンジンの使用頻度が減ります。
そうすると、必然的に燃費がよくなるというありがたい仕組みなんですね。
自動で燃費節約アイドリングストップ
信号待ちなど、一時停止している時に自動でエンジンを止めてくれる機能「アイドリングストップ」。
ワゴンRの場合は、時速13km以下になると作動します。
「え?時速13kmって早すぎない?急停止したりしない?」って不安になった方いるのでは?
確かに、時速13kmというと・・・完全には止まっていませんよね。
しかし、ここでもまたモーター(ISG)が働いてくれるんです。
マイルドハイブリッドは、アイドリングストップでエンジンが止まっても、モーターのみで走行可能。
つまり、さらなる低燃費が期待できます。
「たかが信号待ちだけで、そんなに変わらないでしょ・・・」
なんて、考える方もいるかもしれませんが、何事も少しずつの積み重ねが大切です。
「ちりも積もれば山となる」ってやつです!
暑い夏に活躍エコクール
「アイドリングストップ中って、エアコン止まるんじゃなかったっけ?」
この事実に気付かれた方、なかなかに鋭いです。
確かに、アイドリングストップ中はエンジンが止まるため、エアコンが送風に切り替わることが多いです。
しかし、ご安心ください!
それをカバーする機能「エコクール」が、しっかり搭載されています。
空調ユニットに内蔵された蓄冷剤のおかげで、エアコンの風が送風に切り替わっても涼しい風をキープ。
アイドリングストップ中でも快適に運転できれば、暑がりの方も一安心。
そして何より、エアコンの節約にもなって、エコなのが嬉しいですね。
ワゴンRの燃費は本当にいい?ライバル車と実燃費で比較
出典:ワゴンR公式HP
「ワゴンRの実燃費はわかったけど、実際のところ、他と比べてどうなの?」
気になるポイントですよね。
そこで、ワゴンRのライバル車である「ムーヴ」「NーWGN」の実燃費を一覧表で比較してみました。
実燃費の部分は、e燃費を参考にしています。
平均実燃費 | 実燃費(最高値) | |
ワゴンR(HYBRID FZ・FX) | 20.57km/L | 26.81km/L |
ムーヴ | 19.30km/L | 21.76km/L |
N-WGN | 18.69km/L | 24.00km/L |
実燃費(最高値)には、最新の投稿10個中の最高値を入れています。
やはりワゴンRの燃費の良さが際立っています。
最高値では、ムーヴとの差が約5km/Lもあります。
とはいっても、この数字だけではわかりにくいですね。
平均実燃費を使って、1ヶ月のガソリン代に換算すると、どのくらいの金額になるのか見てみましょう。
条件
・ワゴンR、ムーヴ、N-WGNの平均実燃費で計算
・ガソリン代 145円/L
・走行距離(1ヶ月) 100km(あまり乗らない)
300km(買い物送迎中心)
500km(買い物と週末ドライブ)
100km | 300km | 500km | |
ワゴンR(HYBRID) | 705円 | 2,115円 | 3,525円 |
ムーヴ | 751円 | 2,254円 | 3,756円 |
N-WGN | 776円 | 2,327円 | 3,879円 |
この表から、1ヶ月500km走る場合のワゴンRとN-WGNの差は約350円。
つまり、年間で約4,200円・・・けっこうな差があります。
パートナーと一緒に映画を観たり、家族揃って外食に行ける値段ですね。
隠されたもうひとつの最新テクノロジー
実は、ワゴンRの燃費のよさに貢献しているのは、システムばかりではありません。
ハイブリッドを搭載しているにもかかわらず、車体がとても軽いのも特徴のひとつです。
- ムーヴ:820kg
- N-WGN:830kg
- ワゴンR:770kg
その差、なんと50~60kg! 小柄な大人1人分も違います。
なるほど。これなら、燃費もよくなるはずです。
新しいシステムだけでなく、軽量化まで成功させるあたり、スズキの技術の結晶といえます。
歴代ワゴンRの燃費を調べてみた
長い歴史を持つワゴンR、その燃費はどう変化しているのでしょう?
一覧表で、初代からの実燃費を一気に振り返ってみましょう。
平均実燃費は、e燃費を参考にしています。
カタログ燃費 | 平均実燃費 | |
初代(型式:CT21S) | 16.4~17.0 km/L(10・15モード) | 13.11km/L |
2代目(型式:MC21S) | 18.0~19.0 km/L(10・15モード) | 12.67km/L |
3代目(型式:MH21S) | 20.0 km/L(10・15モード) | 13.52km/L |
4代目(型式:MH23S) | 19~23.6km/L(JC08モード) | 16.30km/L |
5代目(型式:MH34S) | 26~33km/L(JC08モード) | 19.68km/L |
5代目 ハイブリッド(型式:MH44S) | 32.4~33.0 km/L(JC08モード) | 19.52km/L |
6代目 ハイブリッド(型式:MH55S) | 33.4km/L(JC08モード) | 20.57km/L |
カタログ燃費は計測方法が変わったりしていますが、代替わりするごとに燃費は上がっています。
2代目で少し実燃費が落ちたものの、それを除けば順当に上がっていますね。
特に、5代目の実燃費に注目してください。格段に改善されています。
その理由は、この5代目で初めて「S-エネチャージ」が導入されたからです。
そして、この「S-エネチャージ」をさらに進化させたのが、「マイルドハイブリッド」。
スズキのテクノロジーは、進化するたびに同じように燃費も上昇しています。
最新テクノロジーである「マイルドハイブリッド」も、燃費向上に貢献してくれることでしょう。
まとめ
出典:ワゴンR公式HP
25年もの長い歴史の中で、進化を続けるワゴンRは、燃費の進化も継続中。
中でも、ワゴンRハイブリッドは他のライバル車と比べても燃費がいいです。
最新技術マイルドハイブリッドシステムの実力は、確かなものといえますね。
運転が苦手でも、最新のテクノロジーの相乗効果が低燃費をアシストしてくれます。
初心者だけど、やっぱり燃費も気になる!そんな方にはもってこいの車。
もちろん、これから高まり続けるエコ精神にもふさわしい車といえましょう。
快適なドライブと低燃費、その両方を叶えてくれるワゴンRハイブリッド、これからも目が離せません。