軽自動車のグリーン化特例。
聞いたことがある方が多いとは思いますが、実際にどんな制度なのかいまいちわからないですよね。
ざっくり言えば
「環境に配慮した軽自動車を2015年4月1日以降に購入した場合、2016年に支払うべき軽自動車税を減税する」
という措置です。
2015年4月1日から施行された軽自動車税の増税による新車の買い控えを防ぐ目的でとられた措置で、これを活用すれば2016年に納付する税金をかなり節約することができます。
軽自動車のグリーン化特例を徹底解説
ざっくり言えば環境に配慮した車の税金が安くなる、というのがグリーン化特例です。
しかし詳細を見てみてもいまいちわかりにくいですね。
対象となる車もピンとこないのではないのでしょうか。
そこでまずはグリーン化特例の制度についておさらいしてみます。
対象となるのは2015年4月1日から2016年3月31にまでに新規登録される車です。
簡単にいえば新車ですね。
減税される率は、燃費のよさや排出ガス規定をどの程度クリアしているかにもよります。
そして巷でよく言われているエコカー減税とは対象となる税金が違うので、ここだけ注意が必要。
グリーン化特例は毎年納める軽自動車税が対象となり、エコカー減税は車検のときに納める重量税が対象となります。
同じようにエコカーなら減税される制度ではありますが、混同しないように気を付けてください。
いくら減税になるの?
ではいくら減税になるのか具体的に見ていきましょう。
まず、以下の3つの車について
- 電気自動車
- 燃料電池自動車
- 天然ガス自動車(平成21年排ガス規制10%以上低減)
これらの車は2016年に支払う軽自動車税が75%安くなります。
具体的には今までの7,200円が1.5倍に増税されて10,800円。
そこから75%減税されるので2,700円です。
次はガソリン車について見ていきます。
- 平成17年排ガス規制75%低減、平成32年度燃費基準+20%達成車:50%減税
- 平成17年排ガス規制75%低減、平成32年度燃費基準達成:25%減税
ガソリン車の場合は少々条件が厳しくなっていて、対象となる車種は全体の4分の1ほどとも言われています。
しかも減税されるとはいえ対象となるのは2016年に納める1年間だけ。
正直いって不要な措置、と感じるユーザーが多いのも実情のようですね。
対象車は?
対象車はどれ?と言われてもちょっと困るんですよね。
というのは、グレードごとに違ってくるからです。
ターボだと25%減税で、NAだと50%減税などとなっています。
ちなみに「平成17年排ガス規制75%低減」のマークはこれ↓
平成32年度燃費基準達成のマークはこれ↓
車種ごとの高サイトに表示されているので、候補の車があるなら確認してみてください。
わからなかったら、試乗しに行く際に営業マンに聞いてみるといいでしょう。
グリーン化特例1年間延長が決定
1年間限定のグリーン化特例。
エコカー減税と組み合わせれば税金を節約できることは事実ですが、翌年以降からは増税された軽自動車税を納付しなければならないので、実際のところは不評のよう。
そこで総務省は2015年8月にグリーン化特例を1年間延長する方針を固めました。
詳細はまだまだですが現時点では2016年3月末日までに新規登録された車のみ対象となるところ、2017年3月末日までと期間の延長だけは決定されたようです。
ただ現時点の条件のままで延長されるかどうかは未定。
総務省としてはこれ以上税収が低くなることを避けたいため、延長する場合はさらに厳しい条件にして対象車種をより絞る方針を打ち出しています。
しかしメーカー側はこれに真っ向から反対し、現行の条件のまま継続的に延長することを希望。
確かにグリーン化特例によって軽自動車税が軽減されるとはいえ、実際に増税が発表されてから新車の売上台数は2015年当初から7ヶ月連続で前年を下回っていて、増税の影響は計り知れません。
メーカーとしてはこれ以上販売台数が落ち込む要因を作り出したくない、と考えているようですね。
車への増税は厳しくなっていく
また2017年からは消費税が10%に引き上げられることが予想されています。
これを受け、自動車取得税に関しては撤廃される方向で話が進んでいるようですが、代わりに「環境性能課税」が導入される方針なのだとか。
これは自動車取得時に環境性能に応じて課税をする、というもので税率は燃費や環境性能に応じて取得価格の0~3%で調整が進んでいます。
まだ決定ではありませんが、着々と導入に向けて各方面で話し合いが行われているようですよ。
2015年の軽自動車税の増税を皮切りに、これからますます車を持つユーザーへの課税が重くなることが予想されています。
そのため車に乗り続けるなら税金について正しく知り、どうすれば税金をより節約できるのかどうかを考えなければいけませんね。
税金はややこしい、面倒くさいというイメージをひとまず払拭してみてはいかがでしょうか。