第三のエコカーとして発売されたミライース。
その燃費の良さで、維持費も車両価格も安く経済的な車として有名です。
そんなミライースはモデルチェンジをして、「燃費が悪い」という口コミが多く見受けられました。
「先代と燃費が変わっていない!」
「寧ろ悪くなってる!」
こんな声が結構あるんです。
果たして、新型ミライースの燃費は本当に悪くなっているのでしょうか?
目次
愕然!ミライースの実燃費はこれだけ?
まずはミライースのカタログ燃費と実燃費を見ていきましょう。
新型ミライースと旧型ミライースを比較してみました。
測定方式 | カタログ燃費 | 実燃費 | |
新型ミライース | JC08 | 34.2km/l | 26.0km/l |
WLTC | 25.0km/l | ||
先代ミライース | JC08 | 32.2~35.2km/l | 20.5~22.5km/l |
よーく見てください。
新型ミラースのカタログ燃費には2つの数字がありますよね。
「JC08」と「WLTC」。
違いは後で説明しますが、燃費の差が9.2km/lもあります。
カタログ燃費ですよ!
約10km/lも燃費が違ったらどうです?詐欺ですよね!?
まぁ、これはミライースに限ったことではないので仕方ないことです。
むしろ、WLTCモードができたことでカタログ燃費と実燃費の差がなくなってわかりやすくなったかな。
もう一つの注目は、先代との比較。
実は、先代ミライースは2013年にマイナーチェンジをして、燃費を改良しているんです。
で、その時の燃費がJC08で35.2km/l。新型と同じです。
つまり、新型ミライースの燃費性能は先代と変わっていないのです。
ミライースの燃費は軽自動車の中ではかなり優秀です。
何故、燃費が悪いと言われてしまうのでしょうか。
JC08とWLTCモードの違いってなに?
JC08とWLTCとは、簡単に言いますと燃費の測定方法です。
JC08は市街地や郊外の走行を想定して、一定のパターンで走行させて燃費を測る方法の事を言います。
一方、WLTCモードは市街地、郊外、高速道路と3つのパターンで燃費を測る国際的な測定方法です。
WLTCのほうがJC08よりも実燃費との誤差は少なく、正確に測れます。
そう!
今までのJC08ではカタログ値と実燃費の差が大きすぎて、クレームものだったのです。
WLTCモードになったおかげで、実燃費に違い数字が出たというわけです。
出典元:ミライース公式サイト
なぜ燃費が悪いという口コミがあるのか
ミライースの口コミを見ていると、「燃費が悪い」という声が多くあります。
それは、カタログ燃費(JC08)と実燃費の誤差を認知しているユーザーが少ないからでしょう。
元々、JC08の燃費測定は誤差が大きいということでWLTCの測定方法が普及しました。
しかし、WLTCモードでも、多少の誤差はあります。
そして、もう一つの理由はエンジンが冷えた状態、冷機状態が燃費の悪化に関係しています。
特に、ちょい乗りの場合はエンジンが温まる前にほとんど走行が終わってしまいます。
エンジンを温まるために多くのガソリンを使い、やっと温まったところで運転終了。
燃費が悪くなってしまうわけですよね。
ライバル車と燃費を比較
本当にミライースは燃費良いの?
と、信用しきれない方もいるでしょう。
そこで、今回はミライースとライバル車で燃費を比べてみました。
アルトエコと比較
まずは、アルトエコとミライースを検証していきます。
アルトエコのカタログ燃費は35km/Lと発売当時はトップクラスの燃費です。
カタログ燃費 (JC08) |
実燃費 | 燃料タンク容量 | |
---|---|---|---|
アルトエコ | 35km/L | 20km/L | 27L |
ミライース | 35km/L | 24km/L | 28L |
できるだけ誤差を出さないように、どちらも夏に投稿された口コミを使用しましたが、それでもこの差です!
やはり、ミライースは、車体を80㎏減量させたということもあり、相当実燃費が伸びています。
ハイブリッド車と比較
次はハイブリッド車との比較です。
ハイブリット車で有名なプリウスと比較することにします。
カタログ燃費 (JC08) |
実燃費 | 燃料タンク容量 | |
---|---|---|---|
プリウス | 37km/L | 23km/L | 43L |
ミライース | 35km/L | 24km/L | 28L |
プリウスは、カタログ燃費で2km/Lもミライースを上回っていますが、実燃費では1km/L下回っています。
注目すべきは、ミライースが軽自動車にもかかわらず、実燃費を上回っているという事です。
いかに実燃費の向上を図って作られたかが分かります。
高速と街乗りの実燃費
高速道路 | 街乗り | |
---|---|---|
ミライース | 23.3km/L | 19.7km/L |
高速道路での実燃費から紹介していきます。
まず、高速道路はアクセルワークが街乗りと比較して一定になるので燃費が伸びる傾向にあります。
高速道路の実燃費は23km/Lとなりました。
ミライースのガソリンタンクは28ℓと大容量なので、実燃費も含め、大変優秀な走り実現しています。
次に、街乗りです。街乗りでの実燃費は19km/Lです。
20km/Lに届いてない!と嘆かれる方も多いかもしれません。
これには理由があり、ミライースに搭載されているロックアップ機構が関係しています。
時速30km/hに達すると、エンジンの回転数が少しの間、落ちてしまうのです。
発進時にギアを調節する機構なので、走りだしの時は加速が遅く、アクセルを強く踏む傾向があります。
と言っても、今のAT車の多くにロックアップ機構は搭載されています。
ですので、ハーフスロットルでの加速を心がければ、実燃費20km/Lも狙えます。
夏と冬でなぜ燃費が違うのか
夏よりも冬のほうが燃費が悪くなることが多いです。
夏は冷房を使う機会が多いので、燃費が悪くなる季節は夏と答える人も多いでしょう。
しかし、車のエンジンのメカニズム上、燃費が悪くなるのは冬なのです。
エンジンは温まった状態が一番稼働状態が良くなります。
冬の冷えている日は、早く温めるためにエンジンの回転数が上がってしまうのです。
ですので、車を発進させた直後は少しだけ遅く運転することをお勧めします。
また、冬用の粘度の低いオイルを使用することで、燃費効率を良くすることもできます。
歴代のミライース 初代との比較
初代ミライース
出展元:Wikipedi
ミライースは2011年に初代が発売されました。
経済性を重視し、e:sテクノロジーを使用した第三のエコカーとして開発されます。
初代からエコカーとして開発されたこともあり、燃費は30.0km/lと当時ではかなり話題になりました。
といってもココにも落とし穴が!
当時の燃費測定モードは10・15モードというもので、JC08よりさらに正確性が無いものでした。
ですので、実燃費は20~22km/l程度です。
新型ミライース
出展元:ミライース公式サイト
そして、2017年にフルモデルチェンジをしました。
新型は、スマートアシストや自動切替型前照灯などの機能も付き、安全性が向上しています。
値段も、97万円~120万円台と驚きの低価格です。
値段(新車の相場) | 機能 | |
---|---|---|
新型 | 97万円~120万円 | 誤発進抑制制御機能 自動切替型前照灯 スマートアシスト |
初代 | 75万円~135万円 | e:sテクノロジー |
勘違いの一番の原因がここ!
ユーザーに燃費が悪いと勘違いさせられる原因がここにもあります。
カタログ燃費自体は初代の32km/Lとほとんど変わっていないのです。
ですが、実燃費は初代よりもカタログ燃費との誤差を少なくし、3km/L以上長く走れるようになっていました。
ミライースの燃費を向上させるテクニック3選
出展元:いらすとや
では、ミライースの燃費を更に良くするテクニックをご紹介します。
基礎的な事でも、しっかりと対策をしておくと燃費に差が出ますよ!
1つ目 ハーフスロットル
1つ目は、ゆっくりと発進することです。
このテクニックをハーフスロットルと言います。
ロックアップ機構への対策として時速40kmまでは、緩やかに加速させると排気量を抑えられます。
2つ目 エンジンブレーキの活用
2つ目は、停止時のテクニックです。
停止場所から少し遠い場所でアクセルペダルから足を放します。
こうすることで、エンジンブレーキがかかるので、普通にブレーキをかけるよりも減速時の燃費を節約できます。
3つ目 エコタイヤ
そして、最後の3つ目は、タイヤをエコタイヤに変えるということです。
ノーマルタイヤよりもエコタイヤを使ったほうが、燃費を約3%も向上させることができます。
ミライースの実燃費24km/Lで、10,000km走ったとします。
走行距離 10,000km÷実燃費 24km/L×ガソリン 150円/L=62,550円の3%。
つまり、1877円もの節約になるのです。
エコタイヤは高くて買えないという人は、タイヤの空気圧を上げてみてはいかがでしょうか。
元々、エコタイヤは地面との摩擦を減らすように設計されているので燃費が伸びるのです。
普通のタイヤだって空気圧を上げれば地面との摩擦は減るので燃費は上がります。
しかし、タイヤの空気圧を上げると運転時の振動が強くなったり、滑りやすくなるなどのデメリットもあります。
季節やよく走る道を基準に考えてみてください。
まとめ
今回、リサーチして分かったことは、いかにダイハツがミライースの実燃費に注目したかという事です。
まず、減量80㎏という数字がハードルの高さを物語っています。
たった650㎏で車を作ることができるというのは調べていて大変驚かされました。
その上に、空気抵抗を減らすフォルムと必要最低限に、しかし、安全性は損なわずに絞られた機能。
一体どれ程ミライースの開発者達は頭を抱えて考えたことでしょう。
カタログ燃費ばかり追い求めない姿勢が、実燃費の向上につながったのです。
大変使い勝手の良いリーズナブルな第三のエコカー、ミライース。
車の購入、買い替えを予定している人は是非ともご検討ください。
街乗り | 高速道路 | 郊外 | |
---|---|---|---|
ミライースの実燃費 | 24km/L | 22.3km/L | 19.7km/L |