スズキの「エブリイワゴン」は、シンプルイズベストの真四角のフォルムにターボエンジンを搭載し、軽自動車での「広さ」と「実用性」に加えて「走り」の限界にも挑戦していると言える車種です。
2015年のフルモデルチェンジで、走りと使い勝手をさらに向上させて、商用、乗用ともにより人気が出ています。
そんな「エブリイワゴン」の、燃費や価格、基本性能を詳しく解説しましょう。
目次
エブリイワゴンの口コミ
初代が1982年に登場してから現在まで、フルモデルチェンジやマイナーチェンジを重ね、より使いやすく進化している「エブリイワゴン」は、息の長い人気車種です。
そのため、社用車で長年使っている人や、親子2代で使っている人など、利用者も多岐にわたります。
そんな数多くの人たちの口コミの中から、参考になるものを見ていきましょう。
満足しているところ
- 何はなくとも、広さが素晴らしいです。軽自動車でこれだけのサイズがあれば、経費的にも助かります。
- 広さゆえに荷物を結構積んでいますが、それでも十分満足できる走りを見せてくれます。
- 視点が高く、視界も広く、とても運転しやすい車です。
- 仕事柄、狭い路地に入っていくことが多いですが、スムーズに走れます。
- 思った以上に静かです。もちろん、思い切り踏み込んだらうるさくなりますが、街乗りする分には十分な静粛性です。
不満なところ
- 軽自動車にしては、少し価格が高い気がします。
- 雨音が結構する。トタン屋根かと思ったくらいです。
- あくまでも軽自動車ですので、燃費がもう少し良ければと思います。
口コミまとめ
エブリイワゴンはクラストップレベルの広さを誇っているため、「エブリイワゴン」以上の広さを得られる車種はありません。
もちろん、ハイトールワゴンなどで天井の高さを上げて広く感じさせている車種も多いですが、純粋な広さを求めるなら、「エブリイワゴン」で間違いないようです。
商用車にも使っている人が多いのか、仕事上の使い勝手と経費的な部分での折り合いについても多く口コミがありました。
そのあたりで、燃費についてのマイナス評価が少しありますが、軽自動車らしからぬ走行性能のおかげで、大きな問題にはなっていません。
総合的には、軽自動車で荷物を多く積む広さを求めるのであれば、商用でも、ファミリーカーでも、実用性を求めると「エブリイワゴン」へたどり着く結果になるようです。
グレードごとの価格と燃費
1982年に登場してから現在まで、爆発的なヒットはしていなくとも、着実に一定層から支持されている「エブリイワゴン」は、当然ながらそれなりにこなれた価格帯で推移しています。
ただし、2015年にフルモデルチェンジをして、「クラストップ」の広さを実現し、先進の安全機能も搭載されましたので、価格がどう変わっているのかは確認が必要でしょう。
口コミでも「価格がちょっと高め!」という声がありました!
エブリイワゴンのグレードは、ベースグレードのJPターボとパワースライドドアなど装備が強化されたPZターボ、そのうえのPZターボスペシャルの、3グレード構成になっています。
なお、すべてのグレードに2WDと4WDが用意され、ボディも標準モデルとハイルーフモデルとがあります。
なお、2WDについては、後輪駆動になっており、重い荷物を積んでいても力強いのが魅力です。
グレード | 車体価格 | 燃費 |
---|---|---|
JPターボ | 142.6万~156.7万円 | 14.6~16.2km/L |
PZターボ | 156.7万~170.7万円 | 14.6~16.2km/L |
PZターボスペシャル | 164.2万~178.2万円 | 14.6~16.2km/L |
走行性能、広さ、操作性など、軽自動車としてはとても優秀で、デザインも可もなく不可もないものです。
しかし、燃費だけは最近の軽自動車と比べると物足りないと感じる部分かもしれません。
実燃費はどのくらい?
エブリイワゴンの弱点は燃費です。
カタログスペックでも16.2km/L程度ですが、実際の燃費はどの程度に抑えられているのでしょうか?
条件は様々ですが、実際のユーザーがネット上に公開している実燃費の平均値は、以下の通りです。
やはり、口コミの通り、軽自動車だと考えると、あまり良い燃費とは言いにくいかもしれません。
しかし、燃費は走り方にもよりますし、この車の主な用途(商用、大荷物の運搬)を考えると、妥当な数値と言えなくもありません。
燃費で選ぶなら、N-BOXやタント、ウェイクのほうが良いかもしれませんね!
ライバルとの比較
エブリイワゴンの広さと積載量を選択基準とすると、ライバルはダイハツの「アトレーワゴン」になるでしょう。
アトレーワゴンもエブリイワゴンと同じく商用のバンから派生する乗用ワゴンですので、仕事に使える大きな室内空間が魅力です。
この2車種の価格や燃費、車体や室内空間の大きさなどを比較してみましょう。
エブリイワゴン | アトレーワゴン | |
---|---|---|
価格 | 142.6万~178.2万円 | 140.4万~173.9万円 |
燃費 | 14.6~16.2km/L | 13.8~14.8km/L |
全長 | 3395mm | 3395mm |
全幅 | 1475mm | 1475mm |
全高 | 1815~1910mm | 1875mm |
カラー | 最大5色 | 最大7色 |
室内長 | 2240mm | 1970mm |
室内幅 | 1355mm | 1285~1310mm |
室内高 | 1315~1420mm | 1350mm |
安全装置 |
レーダーブレーキサポート 誤発進抑制機能 |
なし |
2015年にフルモデルチェンジしたエブリイワゴンに比べ、アトレーワゴンは2005年に登場したモデルで一部改良されているだけですので、どうしても見劣りしてしまいます。
やはり、いま必要なのであれば、エブリイワゴンを選択すべきでしょう。
エブリイワゴンのデザインの特徴
エブリイワゴンは広さと実用性を重視している車ですので、デザイン的に特筆すべきところはありません。
しかし、それゆえに必要最低限のデザインになっており、その「シンプルイズベスト」が響いている層が大勢いるようです。
人気色はどれ?
実用性を重視という点はボディカラーにも表れており、そのラインナップは5色しかありません。
そのうえで人気があるのは、ブラック系の「ブルーイッシュブラックパール3」やホワイト系の「パールホワイト」になっています。
出典:公式サイト
やはり、ユーザーも「実用性を重視」しており、商用で使っている人も多いせいでしょう。
内装や居住性
エブリイワゴンのもっとも大きな特徴と言える「広い室内」はこれ以上にないほどの居住性を高めてくれています。
足元をゆったりと取った状態で4人乗っていても十分な積載能力がありますので、家族でキャンプなどの外出をするのにも重宝します。
内装はシンプルで特にきらびやかな部分はなく、高級感もあるわけではありません。
しかし、気取らない普段使いという意味では、もっとも落ち着く程度と言えるでしょう。
また、あちこちにポケットや書類入れが装備されていますので、小物を収納する場所に困ることはありません。
室内の広さ
出典:公式サイト
「クラストップレベル」の広さは伊達ではありません。
実際の積載量を見ると、ミニバンにも匹敵するものですので、商用車として人気があるのも納得できます。
シートアレンジ
出典:公式サイト
後部座席は前にも後ろにも倒すことができ、前席も前へ倒すことができるようになっています。
そのため、2人乗りであれば、後部座席を前へ倒して荷室をフラットに広げることで、自転車を2台は積載可能、1人乗りであれば、助手席も倒すことで2m近い荷物を積むこともできます。
また、すべての座席を後ろに倒せば、フルフラットな空間を作り出すことができますので、ゆったりと休憩することも可能です。
荷室の広さ
上述しているように、そもそも大きな荷室が確保されていますので、座席をスライドなどしなくても、普段使いで荷室が狭いと感じることはあまりないでしょう。
もちろん、後部座席を倒せば、「荷物が積めない」と困るようなことはほとんどないと思えるほどの荷室を確保できますし、フルフラットにすれば車中泊も楽々です。
乗り心地は?パワーや静粛性、操作性
全車ターボ仕様で、2WD車でも後輪駆動ですので、多少荷物や乗員が多くなっていても、もたつくことのない、十分なパワーを発揮してくれます。
また、視界は広く高めですので、操作性も十分です。
RZターボスペシャルグレードに「バックアイカメラ」を搭載することもできますので、より安全に操作することできるでしょう。
また、静粛性も高くなっていますので、広さも合わせて快適に過ごすことができるでしょう。
安全性能や便利機能
2015年のフルモデルチェンジで、エブリイワゴンにもフロントガラスにレーザーレーダーが設置され、前方の障害物を検知して自動ブレーキがかかる「レーダーブレーキサポート」や、「誤発進抑制機能」が搭載されました。
また、車速連動式オートドアロック機能や両側パワースライドドア、キーレスプッシュスタートなど、使い勝手を上げる機能が満載です。
まとめ
エブリイワゴンは、フルモデルチェンジを経て、改めて「広さ」「実用性」を重視した「仕事に使える軽自動車」としての魅力を増したと言えます。
もちろん、仕事で使い勝手が良いということは普段使いでも使いやすいということですので、プライベートで購入しても後悔することはないでしょう。
高級車のような満足感は得られないかもしれませんが、普段の何気ない不便を解消してくれる良い車だと思います。
・「広さ」「実用性」を重視した無駄なく使いやすいワゴン
・価格は、142.6万~178.2万円
・運動性能、操作性、静粛性に優れた優秀な軽自動車
・レーダーブレーキサポート、誤発進抑制機能を搭載し、予防安全機能も獲得
商用がメインですが、モデルチェンジにて、実用性も増しました。
車内も広く、車中泊もできるので、ファミリーやアウトドア好きの方にも人気があります。
ただ、N-BOXやタントに比べると、燃費が悪く静粛性もあまり良くないです。