街乗りはもちろん、レジャーシーンでも使える軽自動車として確固たる地位を築いた「ダイハツ ウェイク」。
圧倒的な車内空間と収納力は、アウトドア好きユーザーや子育て世代から高い評価を得ています。
しかし、車に求められる機能は他にもいろいろ。
この記事では、口コミサイトに寄せられたユーザー・試乗者の辛口コメントを調査しました。
総合的に買う価値はあるのか、自分の使用環境に合う車なのか、購入前にしっかり確認しましょう。
目次
無骨なデザイン!ウケはいいの?外観の評価
車の外観は、乗り手の所有欲を満たしてくれる大事な要素。
まずは外観の評価を見ていきましょう。
良い評価
・デカイ!存在感がある
・縦に大きい割に全体のデザインはバランスが取れている
・類似車種にはないゴツさと、道具的な雰囲気が好き
・フロントデザインが個性的で愛着が持てる
・他の車(タント、N-BOX、スペーシア)のファミリー向けなデザインと違い、男が乗っても自然
・合理的なハコ型だが、商用バンのような安っぽい雰囲気が無い
悪い評価
・プラモデルみたいで嫌い
ライバルとして引き合いに出される車種と並べました。
より解りやすく、類似の車両カラーで比較してみましょう。
左上:ウェイク、右上:タント、左下:N-BOX、右下:スペーシア
引用:ダイハツウェイク公式HP、ダイハツタント公式HP、ホンダ公式HP、スズキ公式HP
若干丸みを帯びた他の車種と比較すると、ウェイクは角張った無骨なデザイン。
ウェイクは、個性的なデザインが消費者の心を掴んだ好事例だと言えますね。
圧倒的な車高には注意が必要!
引用:ダイハツ公式HP
外観の評価では、デザインの他に気になるコメントが見られました。
・洗車するときは脚立が必須、面倒に感じる
・背が高すぎて立体駐車場には入らない
都市部に多く見られる屋内駐車場には、高さ制限が1,550mmの立体駐車場があります。
ウェイクは車高1,835mmなので、制限に気付かずに利用すると駐車場の天井にぶつかります。
さらに注意したいのが、極まれに存在する高さ制限が1,790mmの立体駐車場。
ライバル車種の車高は1,750~1,785mmなのでギリギリセーフですが、ウェイクはアウトです。
タントからウェイクに乗り換えて、いつものデパートに買い物に出かけたら新車が大破、なんていうことに…。
外観の総評
ウェイクの個性的なデザインは、なかなかの好評価です。
一方、背が高いゆえに車庫・駐車場の高さ制限には十分に気をつけたいところ…。
購入を検討している人は、自宅の車庫の高さを事前確認しておきましょう。
また立体駐車場を利用する際は、必ず入口で高さ制限を確認しましょうね。
広いのは良いんだけど…?内装の評価
続いて内装の評価です。
良い評価
・収納十分、マウンテンバイク2台と荷物を積んで、2人で乗っても問題なし
・収納装備が沢山ある、インパネトレイには小さめのショルダーバッグも置ける
・座席を一番後ろにしていても荷室に物を沢山詰める
・座面から天井までが広く居住性抜群、後部座席での着替えも楽々(身長180cm)
・後部座席を後ろにスライドさせた状態で頭上がゲンコツ3個、膝前がゲンコツ4個と広々(身長180cm)
悪い評価
・車中泊をしたい時に、どうシートアレンジをしても段差が出来るので工夫が必要
・車内空間が広いため、暖房が行きわたるのに時間がかかる
車内空間と収納力についての高い評価は「さすが」の一言ですね。
ウェイクは広い!好評価の収納力を検証
引用:ダイハツ公式HP
ウェイクとライバル車の車内寸法を表にまとめました。
車種 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 |
---|---|---|---|
ダイハツ ウェイク | 2,215mm | 1,345mm | 1,455mm |
ホンダ N-BOX | 2,240mm | 1,350mm | 1,400mm |
スズキ スペーシア | 2,155mm | 1,345mm | 1,410mm |
特筆すべきは室内高。
他車種と比較して約50mmも高い天井が、広々とした車内空間を生み出します。
長距離運転で疲れたとき、全力で伸びができる気持ちよさは格別です。
そして、ウェイクのもう一つの強みが収納力。
ポイントを見ていきましょう。
インパネの収納が充実
引用:ダイハツ公式HP
上の図はウェイクの内装に施された収納装備のイメージ図です。
なんと、前席だけで収納装備が14種類!
口コミにある通り、ドリンクやスマホ、タバコ、小物類まで自在に収納できます。
収納装備に関する詳しい情報は、公式HPを参照して下さい。→ダイハツ ウェイク公式HP
多彩なシートアレンジで使い勝手いろいろ
ウェイクは、シートアレンジによって5つの使い方が可能です。
まずは4パターンを簡単にご紹介。
左上:テーブルモード、右上:フラットラゲージモード、左下:フルフラットモード、右下:ロングソファモード
引用:ダイハツ公式HP
たっぷり荷物を積める上、車内でゆったりくつろげます。
車中泊にも十分なスペースが確保できますね。
また口コミにも見られる通り、ロングラゲージモードなら「2名乗員で自転車2台・荷物積載」が可能です。
引用:ダイハツ公式HP
ウェイクの内装の広さと収納力は文句なし。
使い勝手の良い倉庫を、そのまま運転しているような気分です。
完全にフラットにならない「フルフラットモード」には不満の声!
ここで、口コミサイトに寄せられた見逃せないコメントを確認しましょう。
「車中泊をしたい時に、どうシートアレンジをしても段差が出来るので工夫が必要」(再掲)
引用:ダイハツ公式HP
画像を見て分かる通り、ウェイクの車内は完全にフラットにならないのです。
なんとも「かゆいところに手が届かない」フルフラットモード…。
完全にフラットにするには、純正アクセサリーや市販の敷パットを使って、段差を解消する必要があります。
下の記事で詳しく紹介されているので、ぜひ参考にして快適な車中泊をして下さい。
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広い車内にはデメリットも?
一見メリットだらけのように見える内装ですが、口コミには意外なマイナス評価がありました。
「車内が広すぎて、暖房で温まるまでに時間がかかる」というコメントです。
特に冬場の寒冷地では、車内が温まるまで凍えて過ごすのはつらいもの…。
暖房の効きを改善するためには、寒冷地仕様オプションが最適。
引用:ダイハツ公式HP
14,040円(グレードDは10,800円)で取付可能なオプションで、以下の装備が付きます。
※グレードGターボ・Lの4WD仕様には標準装備
・運転席ヒートシーター:シート座面を温めるヒートシーター
・リアヒーターダクト:後席用のヒーター吹出口
・ヒーテッドドアミラー:ドアミラーに電熱線が内蔵され、雪の付着による視界の悪化を防ぐ
なお、寒冷地仕様は後付ができないオプション(メーカーオプション)です。
取り付けたい場合は、購入時に必ず販売店に伝えておきましょう。
内装の総評
車内空間の広さはウェイクの真骨頂。
居住性や収納力は文句なしです。
ただし車中泊を考えている人にとっては、フルフラットモードの段差や隙間が少し残念ですね。
また、寒冷地に住んている人や冬の寒さが苦手な人は、寒冷地仕様オプションを検討しましょう。
ウェイクは走らない?エンジン性能の評価
ここまで、ウェイクの強みと言っても良い「個性的な外観」と「広い車内空間」について紹介しました。
しかし、車の本来の目的である「走り」についてはどうなのか…。
エンジン性能についての評価を見ていきましょう。
良い評価
・走りは良好、音も静かで軽自動車であることを忘れるレベル(グレード:Gターボ)
・4名乗車で高速でも問題のない加速(グレード:Gターボ)
・上り坂でもグイグイ走る(グレード:Gターボ)
悪い評価
・スタートの加速が良くない(グレード:D)
・速度が乗るまでは高速道路はつらい(グレード:D)
・山道や高速道路の上り坂で走らない(グレード:D)
・街乗り限定の走り(グレード:L)
ウェイクのグレードは、大きく分けて、D、L、Gターボの3つがあります。
Gターボを除く2つのグレードでは、エンジン性能の評価が軒並み悪いですね。
その理由を説明していきましょう。
ウェイクは重い!ターボは必須?
引用:ダイハツ公式HP
走りに不満が出るのは、ウェイクの車両重量が影響しています。
ウェイクのノンターボグレードL・Dでは、エンジン性能に対して車両が重すぎ…。
「どんなシチュエーションでも快適に走りたい」という人は、Gターボを選びましょう。
より納得感を持ってもらうために、車両重量が影響している理由を説明していきます。
ウェイクの車両重量とエンジンの馬力を、同じダイハツの普通車「トール」と比較してみました。
車種 | ウェイク | トール(参考) | ||
---|---|---|---|---|
グレード | Gターボ | L(ノンターボ) | D(ノンターボ) | G・X(ノンターボ) |
車両重量 | 1,020kg | 1,000kg | 990kg | 1,070kg |
エンジン最大出力時の馬力 | 64馬力 | 52馬力 | 69馬力 |
「馬力」は物を動かす力の単位で、「1馬力=75kgの重量を1秒間で1m動かす力」です。
ウェイクのグレードL・Dは、弱い力(馬力)でトールとほぼ同じ車両重量を動かさなくてはいけません。
馬69頭でようやくまともに運べる荷物を、ムリして52頭で運ぶ様子を想像して下さい。
一方でGターボなら、普通車であるトールと概ね同等の力で走行可能です。
「軽自動車を忘れる走り」というコメントも納得ですね。
エンジン性能の総評
ウェイクの車両重量をカバーして快適に走行するためには、ターボが必須と言えます。
ウェイクは高い収納力を誇る車。
めいっぱい荷物を積むと、車両はさらに重くなります。
「沢山荷物を積んでレジャーに出かけたい」という人は、迷わずグレードGターボを選びましょう。
足回りが固い!走行性能・乗り心地の評価
続いて、走行性能・乗り心地についての評価を見ていきましょう。
良い評価
・これほど背の高い軽自動車で、カーブを安定して曲れるのは驚き
悪い評価
・道路の凸凹をよく拾いガタガタする、長距離運転は腰にくる
・座席のクッション性が悪い(特に後部席)
・高さがあるので、強風時に煽られる
それぞれの評価を詳しく確認していきましょう。
横揺れは大丈夫?コーナーの安定性は良好
ウェイクは軽自動車トップクラスの車高を誇る車。
「背が高い分横揺れがひどいのではないか?」と心配になります。
しかし口コミには、カーブの安定性を高く評価するコメントが多数見られました。
実際に試乗してみたところ、サスペンション(路面凹凸の衝撃緩衝装置)がかなり固めな印象。
普段私が乗っている軽セダンと比較しても、カーブで車両が振られる感じはありませんでした。
車高が大きいことによる横揺れを、上手くカバーしている車だと言えます。
口コミをさらに調査したところ、「強風の高速道路でも時速80km程度であれば安定」というコメントも…。
強風時の走行安定性は、強風の程度やドライバーの運転技術にも影響を受けます。
可能であれば風の強い日をねらって高速道路を試乗し、実際に揺れを確認することをおすすめします。
走行時の振動がつらい!対策を紹介
高い走行安定性の弊害とも言えるのが、走行時の振動。
「サスペンションが固い」というのは、「振動をよりダイレクトに車内に伝える」と言い換えられます。
街乗りで短時間の移動ならまだしも、遠出する際に長時間振動にさらされるのはつらいもの。
またウェイクのキャラクター上、「悪路の多いレジャーシーンで使いたい」という人も当然いますよね。
ここで、口コミから振動を軽減するアイデアを紹介します。
クッションを使って座席のショックを弱める
引用:ダイハツ公式HP
簡単に振動を軽減するのなら、クッションがおすすめ。
純正アクセサリーには、ウェイクにピッタリのクッションが用意されています。
・ランバーサポートクッション(31,860円):圧力分散・衝撃吸収効果のあるジェル入りで、負担を軽減
・サイドポートパッド(20,520円):両サイドから体を支えて安定姿勢をキープさせ、横揺れを軽減
「ちょっと値が張る…」と思う人は、市販のクッションを活用するだけでも、かなり体が楽になります。
【注意】タイヤの空気圧を少しだけ弱くする
口コミサイトを調査したところ、「タイヤの空気圧を少し下げて振動を軽減」というアイデアがありました。
タイヤ自体をクッション代わりにして路面の振動を吸収させる、という考え方ですね。
圧力を下げる目安はメーカー指定値の1割程度、とのこと。
ウェイクのメーカー指定値は2.4kPaなので、1割減すると2.2kPa程度になります。
しかしこの方法にはデメリットやリスクがあるため、おすすめできません。
タイヤの空気圧が低い状態で運転すると…
・燃費が悪化する
・タイヤの摩耗が激しくなり、パンクしやすくなる
・高速走行時にはタイヤのバーストのリスクが高まる
「タイヤの空気圧を下げて乗り心地を解消」という方法は、まれに自動車情報サイトにも紹介されています。
しかし乗り心地を求めた結果、大事故を引き起こす可能性のある危険な方法です。
空気圧はメーカー指定値をしっかり守り、乗り心地の改善にはクッションを利用しましょう。
走行性能・乗り心地の総評
ウェイクは車高の割に走行安定性の高い車です。
しかし、安定性が確保された代わりに乗り心地の評価は低め…。
腰に持病のある人や、日常的に高齢者を乗せる人には正直不向きです。
走行時の振動が気になる場合は、クッションを活用して乗り心地を改善しましょう。
やっぱり不満?燃費の評価
「ウェイクを街乗りにも使う」という人にとっては、燃費も大事なポイントです。
個別の口コミによると、次のような結果です。
・7万km走って18.6km/L、車両重量やターボであることを考えると良い方(グレード:Gターボ2WD)
・街乗りで12~15km/L、高速は18km/Lくらい、悪いのは覚悟していた(グレード:Gターボ2WD)
・街乗りで15~18km/L、想像以上に良かった(グレード:Gターボ4WD)
・街中郊外中心で16.8km/L(グレード:D)
車両重量の影響もあり、高燃費は期待できないウェイク。
しかし皆さんウェイクのキャラクターを理解して、それなりに納得しているようです。
ウェイクの燃費については、下の記事でも詳しく紹介されているので参考にして下さい。
-
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ウェイクは割高?価格の評価
ここまで、ウェイクの外観や内装、性能について気になるポイントを紹介してきました。
ウェイクの価格は妥当なのか、購入者の評価を見てみましょう。
良い評価
・軽自動車としてみれば高額だが、税金等の維持費を考えるとアリ
悪い評価
・価格は一番のネック、200万近く出すなら普通車を買う
・購入金額で190万くらい、軽自動車だがある意味高級車
乗り出しで200万円に迫る価格は、軽自動車のイメージからすると「高い」と感じられるようです。
しかし実際の機能・性能を知れば、車両価格は「妥当である」という見方もできます。
・圧倒的な車内空間と収納力
・ターボであれば普通車レベルのエンジン性能
・車高の影響をカバーする十分な走行安定性
・高くはないが及第点の燃費性能
いずれも普通車のコンパクトワゴンと比較して、決して引けを取りません。
また、ウェイクのライバルとして引き合いに出される類似車種と、車両価格を比較してみました。
車種 | グレード | 車両価格 |
---|---|---|
ダイハツ ウェイク | Gターボ SaⅢ | 167.4万円 |
ダイハツ タント | Xターボ | 156.0万円 |
ホンダ N-BOX | G・Lターボ Honda SENSING | 169.6万円 |
スズキ スペーシアカスタム | HYBRID XSターボ | 178.7万円 |
※各車両ターボグレードで比較(スペーシアは通常モデルにターボ仕様が無いため、カスタムモデルを適用)
ウェイクに限って「割高である」とは言えませんね。
価格の総評
「軽自動車は安いもの」というイメージから、ウェイクは割高だと評価される傾向があります。
しかし機能・性能をしっかり評価すると、妥当な車両価格だと言えます。
まとめ
あらためて、ウェイクの評価結果をポイント別に見てみましょう。
【外観】個性的で存在感がある、駐車場の高さ制限には要注意
【内装】「走る倉庫」と言ってもいいレベルの収容力、フルフラット時の段差はマットで要改善
【エンジン性能】ノンターボでは走りがイマイチ、坂道や高速で快適に走りたいなら迷わずGターボ
【走行性能・乗り心地】固い足回りで優れた安定走行性、その分走行時の振動は拾いやすい
【燃費】車両重量を考えると及第点
【価格】機能・性能を考えると適正価格
購入を検討している人は、参考にして下さい。
特に走行性能や乗り心地についてぜひは実際に試乗して、自分が許容できるかどうか確認してみましょうね。
購入前に読みたい値引きお話。
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